近年「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。カーボンニュートラルは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出する量と吸収する量の均衡を目指す取り組みのこと。2050年までにカーボンニュートラル達成を目指し、温室効果ガスの排出量削減に加えて、森林管理などによる吸収作用の保全・強化が必要だとされています。このカーボンニュートラルへの取り組みのひとつとして、「建築物省エネ法」が制定・改正が繰り返されています。
建築物のエネルギー消費性能を向上させるため、住宅の省エネ化が求められているのです。参考元:国土交通省|住宅:建築物省エネ法 参考元:環境省|カーボンニュートラルとは - 脱炭素ポータル>>参考コラム:沼津市で快適な暮らしが叶えられる注文住宅の性能とは?
住宅の省エネ性能を判断するひとつの指標となるのが、断熱等性能等級です。断熱等性能等級は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづく「住宅性能表示制度」によって評価されています。断熱等性能等級は、外壁や窓から熱損失をどれほど防げるかを評価。熱損失等への対策の程度によって、等級2から最高等級7で評価されます。
参考元:国土交通省|新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド
住宅の断熱性能を判断する基準は、断熱等性能等級以外にもあります。それが、以下の3つです。
● 省エネ基準
● ZEH基準
● HEAT20基準省エネ基準は、建築物省エネ法によって制定・改正されています。現在は2016年に定められた「平成28年省エネ基準」を指すことが一般的で、2025年度からは新築住宅において適合義務が求められます。さらに2030年には、省エネ基準を上回る「ZEH(ゼッチ)基準の水準」が新築住宅の標準になる予定です。
そして、ZEH基準をさらに上回るのが、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会が定める「HEAT20基準」。G1からG3まで3つのレベルがあり、単純に断熱性能の数値を満たすだけではなく、室温や暖房負荷削減率などを含む「住宅シナリオ」を満たすことでレベル分けされています。
参考元:国土交通省|省エネ基準適合義務化参考元:国土交通省|家選びの基準変わります参考元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会|住宅シナリオと外皮性能水準
このように、さまざまなレベルがある断熱性能ですが、断熱基準を評価するときの指標のひとつになるのが「UA(ユー・エー)値」です。UA値とは、室内と外気でどれほど熱が出入りしやすいかを数値で表します。つまり、UA値が小さいほど、熱の出入りが少ない高断熱な住宅であると判断できるのです。
断熱性能を評価するために重要なUA値ですが、日本は南北で気温差が大きいため、8つに区分された地域によって基準となる値が異なります。静岡県東部エリアのなかでも平均的な日照時間・降水量である富士市。比較的温暖な気候である沼津市や富士市は、九州地方の市町村に多い「7地域」に分類されます。7地域における断熱等級、断熱基準ごとのUA値は以下の通りです。UA値をチェックするときの参考にしてください。